年代記(ねんだいき)とは、出来事や事件を年ごとに記述した歴史書のこと。Chronicle(クロニクル)。
古代から中世にかけて、天地創造から筆を起こし、人類の歴史を年を追って記述したものがあり、特に世界年代記という(12世紀、オットーの『二国年代記』など)。
同時代の具体的な事件を連ねていく年代記が13世紀頃から盛んになった(イングランドの修道院で書き継がれていった『大年代記』や、フロワサールの年代記など)。宗教者だけでなく、一般人も書くようになった。
おもな年代記 [編集]
『年代記』(タキトゥス)
ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの死(紀元14年)からネロの死(紀元68年)までを描く
『春秋』
春秋時代の魯(前8世紀-前5世紀)の歴史を年代順に記したもの(孟子によって孔子が作者とされた)
『ニキウのヨハネス年代記』(7世紀)
エジプトの僧侶が書いたもので、天地創造から7世紀までを対象とする
『アングロサクソン年代記』(9世紀)
ウェセックス(イギリス)のアルフレッド大王が編纂させたもの
『テオファネス年代記』(9世紀)
東ローマ帝国の修道士テオファネスが綴った年代記。3世紀のディオクレティアヌスから9世紀までのローマ帝国史。7世紀後半の混乱期の東ローマの記録としては唯一現存するもの
『イスラム年代記』(10世紀)
コーラン学者のタバリー(839-923年)の『諸使徒と諸王の書』。天地創造に始まり、ムハンマド、ウマイヤ朝、アッバース朝、10世紀初めまでのイスラム史を記す
『ミカエル・プセルロスの年代記』(11世紀)
東ローマ帝国の宮廷で実権を握った官僚が遺した年代記。バシレイオス2世時代の繁栄から没落に向う時期の帝国史
『ルーシ原初年代記』(11-12世紀)
ネストル(en)が編纂した。『過ぎし年月の物語』『ネストルの年代記』とも。スラヴ民族の起源、ルーシ建国、伝説などを含む。
『完史』(13世紀、シリア)
イブン・アル=アスィール(1160-1233年)による年代記。天地創造に始まり1231年までに至るイスラム世界史。「年代記の完成型」と称される。シリアにおける十字軍との戦争に詳しい
『フィレンツェ年代記』(14世紀、ヴィッラーニ)
人口の推計など統計的な手法も用いてフィレンツェの歴史を綴ったもの
『年代記』(14世紀、フロワサール)
作者はフランス・エノー伯領の生まれ、百年戦争(1337年 - 1453年)と重なる1325年から1400年までの歴史を記す
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